※2021年1月 DCM4CHEE Archive light 5用インストーラー(Ubuntu用)は、DCM4CHEE Archive light 5.23.0に対応しました。
PACSとしてDCM4CHEEが最有力候補であることは間違いないと思います。
しかし、日本語のWebページは、「DCM4CHEE Ver2.x」に関する古い情報で溢れています(2018/9現在)。
今後は「DCM4CHEE Archive light 5」をインストールするべきなのに、いつまで日本ではこのような状況が続くのでしょうか?
「DCM4CHEE Archive light 5」のインストールは基本的に、「Install DCM4CHEE Archive light 5.x」の手順に従うだけですが、その手順はあまりも長いものです。 職員数の多い病院では、PCが得意な人材もいたりするので「DCM4CHEE Archive light 5」をインストールできる施設も多いかもしれません。 しかし、人材の限られるクリニックでは「DCM4CHEE Archive light 5」を自力でインストールするのは難しいかもしれません。 これでは、クリニック統合サーバーの構築は困難な作業になってしまいます。 セキュリティーに問題のある「DCM4CHEE Ver2.x」を安易にインストールしてしまうかもしれません。
そこで、そのようなことが無いように「DCM4CHEE Archive light 5」用インストーラーを作成しました。
これからは、人材の限られるクリニックでも気軽に最新のセキュリティーの不安の無い「DCM4CHEE Archive light 5」をインストールできるようになると思います。
※「DCM4CHEE Ver2.x」セキュリティ問題については、長くなるので、後日別のページに記載したいと思います。
dcm4che.orgのトップページを見てください。
左上のProjectsの欄に「dcm4che Toolkit & Library」、「DCM4CHEE Archive 5」、「More...」の項目があります。
「DCM4CHEE Archive 5」→「Installtion」の順にリンクを辿ると、「Install DCM4CHEE Archive light 5.x」というページにたどり着きます。
また、「More...」で表示されるページには、「DCM4CHEE DICOM Archive 2 (includes dcm4che toolkit 1.4)」、「DCM4CHEE DICOM Archive 5 light」というリンクが見られます。
2016年末、久しぶりにDCM4CHEEを新規構築しようとした時、このページを見て最初に思ったことは、「light=簡易版」では? ということでした。 その当時、日本語のDCM4CHEEの関連ページを見る限り「DCM4CHEE Ver2.x」の情報しか見当たりません(今も大差ありませんが)。 2016年1月に「DCM4CHEE Ver2.18.3」がリリースされていたのも運が悪かったと思います。 海外の豊富な情報を参考にせず、「light=簡易版」と勝手に断定してしまいました。 実際、クリニックサーバーの最初のテストマシンは、「DCM4CHEE Ver2.x」で構築してしまいました。
その後、時間のある時に調べ直してみると「DCM4CHEE Archive light 5」こそが、その当時(現在も)インストールするべきバージョンであったことがわかりました。 その時には元同僚の医師のために用意していた、クリニック統合サーバーへの組み込み検証するのには時間が足りませんでした。 そのためメインサーバーは「DCM4CHEE Ver2.x」、予備サーバーは「DCM4CHEE Archive light 5」という構成になってしまいました。
「DCM4CHEE Archive light 5」のインストールは基本的に、「Install DCM4CHEE Archive light 5.x」の手順に従うだけです。 しかし、手順があまりに長いためインストールに非常に時間がかかります。 クリニック統合サーバー用のPACSとして採用するには、少々問題とまります。 当サイトの「DCM4CHEE Ver2.xのインストール」に記載したような、インストール方法の解説したページ(今となってはゴミページですが、保守時の備忘録として残しています)を作ろうかとも思いました。
しかし、当推進会が提供している外来電子カルテのサーバー側インストーラーを作っていて「DCM4CHEE Archive light 5」用のインストーラーも作ってしまえば良いことに気が付きました。 そこで、放置するとゴミとなっしまう過去に記載した当サイトの「DCM4CHEE Ver2.xインストール」のようなページではなく、インストーラーを開発/提供することにしました。
作成したインストーラーを起動すると、「DCM4CHEE Archive Light 5をダウンロードしますか(Y/Q)?」などと表示されます。 「Y+Enter」と入力していくとインストールが完了します。 コマンド一発の全自動でもよいのですが、ダウンロード時には一応確認プロンプトを表示しています。
以下が、Ubuntu 18.04で実際に実行したときのテキストダンプです。
# time ./setup
dcm4chee Archive light 5サーバーの設定を行います。
必要なコンポーネントをインストールします。
slapdがインストールされていません。slapdのインストールしてよろしいですか。
Y(実行)/Q(インストール中止)の何れかを入力してください:y
必要なコンポーネントのインストールが完了しました。
インストールに必要なファイルをダウンロードします。
dcm4chee Archive light 5をダウンロードしますか。
Y(実行)/Q(インストール中止)の何れかを入力してください:y
/home/oruser/source 100%[===================>] 38.12M 6.76MB/s 時間 8.1s
Wildflyと関連ファイルをダウンロードしますか。
Y(実行)/Q(インストール中止)の何れかを入力してください:y
/home/oruser/source 100%[===================>] 171.02M 8.42MB/s 時間 22s
/home/oruser/source 100%[===================>] 806.58K 626KB/s 時間 1.3s
/home/oruser/source 100%[===================>] 311 --.-KB/s 時間 0s
Weasisと関連ファイルをダウンロードしますか。
Y(実行)/Q(インストール中止)の何れかを入力してください:y
/home/oruser/source 100%[===================>] 25.15M 5.76MB/s 時間 7.7s
/home/oruser/source 100%[===================>] 356.02K 953KB/s 時間 0.4s
/home/oruser/source 100%[===================>] 1.45M 3.36MB/s 時間 0.4s
/home/oruser/source 100%[===================>] 3.54K --.-KB/s 時間 0s
/home/oruser/source 100%[===================>] 2.59K --.-KB/s 時間 0s
インストールに必要なファイルのダウンロードが完了しました。
PostgreSQLの設定を行います。
PostgreSQLの設定が完了しました。
ldapの設定を行います。
ldapの設定が完了しました。
WildFlyの設定を行います。
*******WildFlyの設定が完了しました。
セットアップが完了しました。
real 3m52.333s
user 0m57.653s
sys 0m9.458s
#
インストールに必要な時間は、ダウンロード時間も含めて約4分でした。 JavaがインストールされていないPCだと、最初にJavaのインストールが実行されます(さらに1分ほどかかります)。 「y」と入力する部分は、最初の1~2分程度で、後は放っておくだけでインストールが完了します。
「DCM4CHEE Archive light 5」用インストーラーは、外来電子カルテのサーバー側インストーラーと同じくLinux C(C++)で作成しました。 また、このインストーラーはUbuntu 16.04(64bit)と18.04のマシンで動作します。
「DCM4CHEE Archive light 5」用インストーラーは、データーベースとしてPostgreSQLを選択します(クリニック統合サーバー用のインストーラーなので)。 また、同時にWeasisおよびweasis-pacs-connectorのインストールも実行します。
画像の閲覧は、外来電子カルテから行います。
外来電子カルテからのPACSビューワー呼び出し
上の画面は、Ubuntu 18.04のマシンで「DCM4CHEE Archive light 5」用インストーラーを実行が完了し、
ブラウザで管理画面「http://localhost:8080/dcm4chee-arc/ui2/」を開いた所です。
設定される内容などは以下になります。
本インストーラーを使用してORCA導入済みサーバーにPACSサーバーを追加構築し、問題ないか検証しています(外来電子カルテMRサーバーも当然導入済みです)。 まあ、手動インストールでは既に3年以上、試しているので問題があることは無いと思います。